品質の良さは
素材の良さ、作りの良さ。
見えないところにこだわって
足元からひとびとを支えます。
今までも これからも。
東京都、奈良県、そして兵庫県が全国の「三大くつ下産地」といわれており、遠く昔より「靴下」は兵庫県の地場産業として発展してまいりました。その兵庫県の中でも、加古川市周辺のくつ下生産量は、その兵庫県の約半分を占めており、今なお、全国有数の取り扱い高を誇っています。
残念なことに「くつ下」に限らず繊維産業の国内での生産比率自体は年々下降、国内で作られる製品は短納期・小ロットの生産が大半となり、日本で生産された商品においても原料は海外からの輸入となっているのが現状ですが、作業の効率化だけを重要視せず、兵庫県加古川産の天然の優良な綿花を用いた製品の開発や、品質や安全性に優れた日本基準の加工技術を基盤として、今日もみなさまのもとへあたたかさをお届けしています。
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- そもそも2000年前は、装飾品
- くつ下は 2000年以上も前の中国の古墳から発見されています。今のように、足の保温や靴ずれの防止などの実用的なものではなく、装飾的な意味合いの濃いものだったようです。当時は高級品で、役人や貴族が使用したらしく、日本に伝わったのは5世紀の頃とされており、当時「襪(しとうず)」と呼ばれていたものです。襪は現在の足袋の原型で、色鮮やかな絹織物などを縫い合わせてつくられた布製の履物で、今でも奈良県にあるの正倉院に保存されているそうです。
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- 鉄砲もくつ下も、南蛮渡来
- 日本に誰がくつ下を伝えたかを示す詳しい資料は残っていません。南蛮貿易がはじまった永禄10年 (1567)から寛永12年(1635)にかけて、くつ下とその素材であるメリヤスが日本に伝来したと言われています。この時代のヨーロッパは、手編みメリヤスの全盛期。ポルトガル人やスペイン人によって、イギリス製のものなどが海を渡ってやって来たようです。当時、実際に履くことができたのは大名くらいで、庶民はくつ下の存在すら知らなかったのではないでしょうか。
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- 日本初は、あの水戸黄門さま!?
- 最初にくつ下を履いた日本人は、徳川光圀 (1628~1700)、あの、水戸黄門さまではないかと言われています。水戸家代々の所蔵品が入った長持から、古いくつ下7足が発見されています。どこの国の製品かは不明ですが、黄門さまがお履きになったのは間違いないそうです。すべて地模様入りの丸編みで、3足は絹製、あとの4足は木綿製です。現在、黄門さまのくつ下は、上野の国立博物館が所蔵。そして、これによく似たものがワシントンD.C.のNational Gallery 01 Artにも保存されています。
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- 傘貼り浪人ならぬ、くつ下編み浪人
- 江戸の末期。ヨーロッパの新式銃の訓練がはじまリ、銃の錆止め用手袋とくつ下がメリヤスでつくられるようになりました。やがてこの手編み仕事は、財政困窮な下級武土の内職になります。一橋家、田安家、南部松前藩、常陸龍ヶ崎藩などでは、藩の産業育成のためにくつ下編みを武士に奨励したほどです。器用にメリヤスで足袋をこしらえ、土地の名産にまでした藩士が出現したとか。でも…傘張り浪人という言葉は現在まで残っていますが、くつ下編み浪人は耳にしません。
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- 歴史上の有名人物たちにより日本へ
- くつ下編みが侍のアルバイトになった江戸末期から、やがて時代は明治維新へ。日本は明治4年 (1871)、岩倉具視、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文らの「岩倉使節団」をアメリカ・ヨーロッパヘ派遣。明治6年(1873)、その大使節団が帰国する際、イギリス製長くつ下編み機を購入して持ち帰っています。同じ年、ウィーンの万国博覧会に参加した大隈重信も、メリヤス製造機を持ち帰っています。いよいよ、くつ下づくりが産業として発展していきます。
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- 文明開化で、産業も開花
- 明治3年、小丸機械を輸入して陸軍(鎮台) 用のくつ下を製造。機械編みによるメリヤス製品が、わが国ではじめて製造されました。明治11年ころには、メリヤス製品は当時の重要輸出品として注目されていきます。とは いえ、日本で靴が普及しはじめたのは明治20年代以降。そのころはまだ、軍人、貴族、医者など、限られた階級しか履けませんでした。 米1升3銭、靴1足1円50銭に対して、くつ下が1足10銭もしたとか。加古川でくつ下製造がはじまったのは、この頃からと考えられています。
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